作業着の防寒ベストはどんな現場で使えるの?最適な着用シーンを紹介!
2023-09-24
屋外の作業現場で働く人にとっては、寒い季節になると防寒着が手放せなくなるはずです。あるいは冷凍設備があるような屋内の現場ならば、年間を通じて防寒着が必須のアイテムになることでしょう。単に防寒着といっても色々ありますが、防寒ベストもその1つ。
ただしその着用シーンがいまいちイメージできない、こんな人もいるのではないでしょうか。ここでは防寒ベストを着用するのに最適な作業現場について、幾つか紹介します。
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一口に作業現場といっても建設や土木をはじめ、機械や電気設備あるいは製造や倉庫、さらには清掃や農作業に至るまで、幅広く多様な職種があります。いずれの現場でも共通するのは、何かしら身体の運動を求められる作業が多いということ。
そのため着用する作業着を選ぶ場合には、作業現場それぞれの仕事内容に合わせながら、常に動きやすく快適なものを重視しなければなりません。とはいえ寒い季節に着用する防寒着になると、どうしても生地が厚くなったり、何枚もの重ね着によって着ぶくれするなどして、動きやすさや快適性が損なわれてしまうことがよくあります。
これでは身体を活発に動かす現場では、作業効率を落とすことにもなりかねないでしょう。そんな作業現場で重宝するのが防寒ベストです。まず両袖がないことに加え、軽量でもあるので、ジャンパーやコート等に比べて可動性が抜群。
さらに生地が薄いことによって、その上から重ね着しやすいというメリットがあります。これならば防寒ベストの上にコートやブルゾンを羽織っても、作業の動きを妨げることなく、気温が下がる冬場の屋外作業で十分に対応できるでしょう。
その一方で屋内での作業中に体が温まったり、室内が暖かいようなシーンでは、速やかに着脱してこまめな体温調節を可能にします。気温の変化しやすい秋口から冬場そして春先にかけての屋外作業、あるいは寒暖差の激しい屋内作業でも、高い汎用性を実現するのが、防寒ベストの大きな魅力と言えるでしょう。
それでは具体的にどのような作業現場に防寒ベストはふさわしいのでしょうか。まず屋外の作業現場で真っ先にイメージされるのが、建設や土木でしょう。このような作業現場では気温が極度に下がる冬場の外気にさらされるため、たとえ身体を動かす作業中であっても、体温が直ぐに低下しやすいと言えます。
また屋外での作業である以上、風雨や雪に直面するシーンも想定する必要があります。いずれにしても十分な体温を確保するには、しっかりとした防寒対策が肝心。これを怠ると作業効率が落ちるだけでなく、作業員の健康を損なったり、重大な事故にもつながりかねません。
そこでコートやジャンパーを羽織ることが考えられますが、隙間から内側へ寒気が入りやすいと同時に、体温も外側へ漏れやすいため、これでは寒さ対策として不十分。この点、体にしっかり密着した防寒ベストであれば、体を芯から温めることが期待できます。
また防寒ベストは薄く軽いため、その上からコートやジャンパーを羽織っても、作業中のスムーズな動きを邪魔しません。特に高所作業の建設現場ではハーネスも着用するため、冬場の作業着は着ぶくれになりがちですが、防寒ベストを着用すればその心配もなくなるはずです。
さらに建設や土木のようにハードな動きを求められる現場では、耐久性に優れた防寒ベストを選ぶことも大切なポイント。例えば表地にワッシャーナイロン100パーセント、中綿のポリエステル100%に加え、補強布にアラミド繊維を採用している防寒ベストであれば、抜群の耐久性が期待できます。
同時に軽量で保温性にも優れるので、屋外でのハードな作業にはピッタリと言えるでしょう。
屋外の作業現場といえば、農業や漁業あるいは林業も忘れてはならないでしょう。寒風が吹き荒れる平野部の田畑や、冷たい潮風の吹く船上または水仕事の多い漁港、あるいは厳しい寒気で覆われた山林など、このように過酷な作業現場では特別な防寒対策をしないと、体温もあっという間に奪われてしまいます。
もちろん作業服にもそれなりの工夫が求められるのは、言うまでもありません。そこで作業用の防寒ベストならば、保温性に加えて、撥水性や防風性に優れたタイプを選ぶ必要があります。例えば裏地にアルミフィルムラミネート加工やアルミメッシュ加工を施したもの、あるいは毛長フリースジャケット調のタイプや、サーモクラフトと呼ばれる電熱パッドを装着できる、高性能な防寒ベストがおすすめ。
これならば冬場の過酷な作業現場でも十分な対応が可能です。強風の環境下や水を扱う作業では、防寒ベストの防風性や撥水性も重視しなければなりません。例えば防風性では、表地にTPUラミネート加工を施したものや、肌触りも滑らかなヌバックタッサー素材を採用したタイプがおすすめです。
また機能としては、マジックテープやファスナーで脱着可能な大型フードのあるタイプの他、マイクロフリース加工やシープボア加工をした襟元のあるタイプを選べば、強風もしっかりとガードできるでしょう。続いて撥水性でいえば、表地にポリエステル100パーセントで強撥水加工を施したタイプや、T/Cタッサ素材とPAコーティングを取り入れたタイプが優れます。
これなら水仕事をする環境下でも濡れること無く、十分な体温を維持できるはずです。
荷物を素早くトラックへ運び入れたり、荷物を抱えながらお客様のもとへ駆けつけるなど、運送業や物流業の仕事では機敏な動きが求められるシーンが多々あります。このような作業現場でも防寒ベストが大活躍。両袖がないので腕回りが可動しやすく、冬場に作業着を重ね着しても、スピーディーかつスムーズな動きを確保できます。
特にこのような作業現場では、軽量で伸縮性に優れたタイプを選ぶことが大切なポイント。例えば表地がフリースストレッチでラミネートコーティング、裏地にはポリエステル100パーセントのマイクロフリースを施した防寒ベストなどは、まさに機敏に動く作業現場にはピッタリと言えるでしょう。
軽いので素早く動けますし、抜群の伸縮性によって、屈んだり背伸びをするといった動作も快適です。
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屋内の作業現場の中には暖房設備が不十分なことによって、冬場になれば温度の低い環境の中で、長時間にわたって作業を続けるケースも珍しくありません。例えば大きな工場の製造ラインや、広々とした倉庫内での立ち仕事などがそれに該当するでしょう。
あるいは冷凍庫内の現場であれば、季節に関係なく低温下で作業を続ける必要があります。そんな作業現場だからこそ、防寒ベストは欠かすことのできないアイテムと言えます。単に寒さ対策になるだけでなく、重ね着のしやすさも大きなメリット。
防寒ベストの上から別の作業服を着用しても着ぶくれしにくので、狭く入り組んだ屋内の現場であっても、作業に支障をきたすことが少なく済みます。また作業をしているうちに体が温まってきたら、速やかに上着を脱いで、防寒ベストのままで作業を継続することも可能です。
このように屋内作業での着脱のしやすさも、防寒ベストの見逃せない魅力です。屋内の作業現場では鉄工所やボイラー設備のように、バーナーといった火器や、高熱の熱交換器を扱うケースも見られます。このような現場では、綿100パーセントの厚手の防寒ベストを選ぶのがおすすめ。
化繊や合成繊維と比較して、火や高熱への耐性が強い傾向があるので、バーナーや水蒸気などを扱う現場には適していると言えるでしょう。
ここまで読んでみて理解できるように、もはや防寒ベストは低温下の作業現場で欠かすことのできない、重要なアイテムとなっています。また一口に防寒ベストといっても、素材から機能そしてデザインや価格に至るまで、幅広く多種多様な製品があります。
したがってもし防寒ベストを購入するのであれば、まずは自分の作業現場での仕事内容やニーズをよく把握した上で、最適な製品を選ぶ姿勢が求められます。